Sunday Morning Factory株式会社の石出です。
弊社が運営するバングラデシュ・ダッカの自社工場「BLJ Apparels Ltd.」では、世界一厳しいと言われる主に日本市場向けの製品を生産しています。
今回は、生産管理リーダー、Tanvir(タンビル)さんへのインタビューをお届けします。
入社4年目、生産管理のリーダーを担う彼が、いかにして「日本品質」を現場の「誇り」へと変えてきたのか。そのマネジメントの裏側に迫ります。
1. ビジネスによる「社会課題の解決」を志す
――まず、タンビルさんがこのキャリアを選んだ背景を教えてください。
バングラデシュで育った私にとって、貧困は幼少期から「日常の風景」でした。
しかし大学時代のボランティア活動を通じ、適切な医療や栄養を受けられないまま出産を迎える母親たちの現実を知り、強い衝撃を受けました。
これは一家庭の問題ではなく、国の未来を左右する大きな課題だと思いました。
一時的な支援(ボランティア)ではなく、持続可能な「ビジネス」の力で雇用を生み、自立を支えたい。
その志が、バングラデシュの児童労働問題を解決するために、貧困層のお母さんお父さんに雇用をつくるために建てられた「BLJ Apparels Ltd.」への入社につながりました。
現在は、「高品質な製品を日本へ届けることが、現地の雇用を安定させる」という強い責任感を持って日々の業務にあたっています。
2. 不良品率0%への道:スタッフの「主体性」を育むマネジメント
――生産管理のリーダーとして、数値目標とどう向き合っていますか?
生産管理リーダーとして3年、最大の喜びは期日通りの出荷はもちろん、「日本での不良品率が目標である0%に限りなく近づいている」という実績を達成できていることです。

しかし、その数値を支えているのはシステムだけではありません。
スタッフ一人ひとりの「成長」です。
例えば、現在検品の副リーダーのRazzak(ラザック)さんは、入社した当初は、いつも自信が無さそうに働く印象がありました。
しかし、一からスキルを伝え、役割を任せることで、今では人前で自信を持って改善提案を行うほどに成長しました。

私たちの工場は、他の工場で働きづらい、ミシンを使ったことがない人や学歴のない人を積極的に採用していますが、6ヶ月のトレーニングを終えた彼女たちは、立派なオペレーターへと成長し、工場の品質を支える大切な力となっています。
ミシン経験のない貧困層の方々にこそ、トレーニングを通じてプロの職人へと育成する。
時には大きなチャレンジを伴いますが、大きなやりがいにも繋がっています。
3. 徹底した工程管理:納期遵守を支える「働くメンバーに寄り添ったプランづくり」
――バングラデシュでの生産において、納期管理のポイントはどこにありますか?
私たちの工場には多くの子育て世代が在籍しています。

私は生産管理の鉄則として「無理な残業やプレッシャー」を作らないようなプラン作りを心がけています。
- 余裕を持たせたスケジューリング
- 現場のスタッフが迷わず仕事に集中できる環境整備
「心の安定」がなければ、精密な作業は不可能です。
計画段階での精度を高めることで、スタッフの集中力を維持し、結果として厳しい納期と高い日本品質を両立させています。

4. 品質管理担当者との対話が生んだ「日本品質」への誇り
――「日本品質」の基準を、タンビルさんはどう理解していったのでしょうか?
3年前は、品質管理を担当しているまりこさんの細部へのこだわりに圧倒されました。

ステッチのわずかな歪みやラベルの数ミリの位置修正など、「なぜここまで?」と戸惑う声が現場から上がったことも事実です。
転機となったのは、デザイナーによる「なぜこの修正が必要なのか、日本のお客様がどう感じるか」という徹底した言語化でした。
ブランドの背景や顧客心理を共有することで、スタッフは厳しい検品基準に対するプレッシャーを「自分たちの技術への挑戦」と捉え直しました。
初めての布帛生地の挑戦であった難易度の高い『fairy tale』シリーズを完成させた時の達成感は、工場の文化を変えました。

現在では、「自分たちの仕事が日本のブランド価値を支えている」という誇りが、検品基準の厳格な運用に直結しています。
5. 日本のお客さまへ:私たちが約束する「信頼」
――最後に、OEMを検討されている日本の皆さまへメッセージをお願いします。

私たちの強みは、GOTSやBSCI認証といった設備や認証だけではありません。
日本の皆さまが求める厳格な基準を深く理解し、それを「一針一針の誠実さ」を込めて商品づくりを行うチームがいることです。
バングラデシュ・ダッカから、皆さんの大切なブランドを技術と情熱で支え抜くことをお約束します。
【編集後記】
バングラデシュの工場は一般的にトップダウンが強い傾向にありますが、Tanvirさんは日本流の「褒めるマネジメント」を取り入れ、現場のモチベーションを最大化させています。
「日本品質」を単なるルールではなく、現地の職人の「誇り」へと変えた彼のリーダーシップこそが、私たちのOEMが誇る一つの価値といえます。
・海外生産を行なっているが、品質が安定しなくて困っている
・環境や人権に配慮した工場でものづくりを行いたい
そのようなお悩みを抱えられているお客さまに、ぜひ私たちの工場をご検討いただけたらと思っております。
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