[ OEM JOURNAL ]

アパレルOEMにおける仕様書の書き方ガイド

はじめに|仕様書はOEMの「設計図」

アパレルOEMにおいて、仕様書は製品の設計図です。
どれほど素敵なデザインであっても、仕様書が曖昧だと、工場での解釈違いや品質ブレが起こり、仕上がりに差が出てしまいます。

仕様書に記載すべき基本項目

仕様書は、製品の全体像と細部を“誰が見ても同じ理解ができる”形にまとめた文書です。
主な構成は以下の通りです。

① アイテム情報・スタイルNo.など
最初に記載するのは製品の基本情報です。

項目内容
スタイルNo.品番・社内管理コード
アイテム名Tシャツ、ワンピース、ベビー服など
シーズン/納期例:SS2025、納期:4月末
ブランド名Haruulala organic、OEMブランド名など

工場では同時に多数の案件が進行しているため、識別コード(スタイルNo.)の明記が非常に重要です

② サイズ表・寸法指定
寸法指定は、正確な数値+許容範囲(±mm)まで記載します。

部位サイズ90サイズ100許容差
着丈36cm39cm±0.5cm
身幅29cm31cm±0.5cm
袖丈10cm11cm±0.3cm

③ 素材・付属・縫製仕様
生地や糸、ボタン、タグなどの情報を明確にすることで、「思っていた生地と違う」「ボタンの質感が合わない」といったズレを防げます。

項目内容
表地オーガニックコットン100% スムース
付属コットン糸・天然素材ボタン
縫製仕様首回り:二本針バインダー/袖口:天地縫い
加工プリント:水性インク/染色:反応染料

④ カラー・プリント・刺繍指示
カラー展開や柄の位置指示は、ビジュアル付きで伝えるのが鉄則です。
・カラーコード:PANTONE/DIC指定
・プリント位置:正面中央から◯cm下など、寸法で指定
・刺繍データ:ai/pdfデータ添付

当社では、プリント図(位置指示図)を仕様書内に添付し、生産現場でも直感的に理解できるようにしています。

⑤ 検品・梱包・納期情報
最終仕上げに関する指示も忘れてはいけません。

項目内容
検品基準AQL 2.5/全数検針/汚れ・縫製ズレ確認
梱包個包装:再生ポリ袋使用/10枚単位で外装
納期2025年3月20日(指定港出荷)
出荷先国内倉庫/海外発送の場合はHSコードも明記

よくあるトラブルと防止のコツ

OEMでよく起こるのが、「仕様書の記載ミス」「曖昧な表現」「更新漏れ」です。
たとえば、
・「ベース色:白」→ 実際は生成り(ナチュラルホワイト)だった
・「プリント位置:中央」→ 実際は1cmずれて配置された
・「納期変更」→ 最新版が共有されておらず旧データで進行

これらを防ぐには、
✅ バージョン管理(例:Ver1.0 → Ver1.1)
✅ 添付画像・寸法・素材サンプルの整合性確認
✅ 仕様書の最終承認を「メールで明確化」

当社では、お客様のブランドを理解し、丁寧に形にする“共創パートナー”として、仕様設計から納品までをトータルでサポートしています。

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