新しくベビー服ブランドを立ち上げたいと考えたとき、多くの方が最初に悩むのが「どこでどう作るか」だと思います。デザインは決まっていても、縫製や素材の仕入れ、生産管理まですべてを自社で行うのはとてもハードルが高くなります。
そんなときに頼れるのが「OEM(Original Equipment Manufacturing)」です。OEMを活用すれば、専門工場と連携しながら、自分だけのブランドを短期間でスタートすることができます。特に最近では、小ロット生産でも対応できるOEM工場が増えており、リスクを抑えながらブランドをスタートすることが可能になっています。
本記事では、当社の事例も交えながら、ベビー服OEMの基本的な仕組みから、実際の流れ、工場選びまでをわかりやすく解説します。
はじめに、ベビー服OEMとは?
ベビー服OEMとは、自社ブランドの商品を他社の工場に委託して製造する方法を指します。
ベビー服は「安全性」「肌触り」「素材選び」など、一般のアパレル製品以上に高い品質が求められるカテゴリーです。そのため、経験豊富なOEMパートナーと組むことが成功のキーファクターとなります。
OEMとODMの違い
OEM(Original Equipment Manufacturing)は、発注側が企画・デザインを行い、工場が製造を担当する方法のことです。一方、ODM(Original Design Manufacturing)は、工場がデザインから提案するケースのことを指します。
ベビー服OEMの需要が高まる背景
ここ数年、D2Cブランドや小規模アパレルが増えたことで、「少ロットで高品質な商品を作りたい」というニーズが拡大しています。
また、サステナブル素材やオーガニックコットンへの意識の高まりも、オリジナルブレンドの立ち上げを後押ししています。
ベビー服市場では特に、「赤ちゃんの肌にやさしい」「環境に配慮した」製品づくりが求められるようになってきています。
小ロットから始めるメリット
ベビー服OEMの大きな魅力のひとつが「小ロット対応」です。以前は大量生産が前提でしたが、現在は柔軟な生産体制を持つ工場が増え、小ロットからでもスタートできるようになりました。
初めて自社ブランドを立ち上げる際、いきなり大量の在庫を抱えるのは大きなリスクを伴いますが、小ロット生産なら、テスト販売を行い、お客様の反応を見ながら改良していくことができるのでリスクを抑えることができます。
当社では、弊社が在庫している生地であれば、1SKU50着~生産が可能です。
※1SKUとは「Stock Keeping Unit(ストック・キーピング・ユニット)」の略で、在庫管理における最小単位のことです。同じアイテムでも色やサイズが異なる場合、それぞれが異なるSKUとして管理されます。(例)Tシャツの色が2色で、サイズが3種類ある場合、合計6SKU。
ベビー服OEMの基本ステップ
お洋服づくりは一見複雑で大変そうに見えますが、全体の流れを把握すれば安心して進められます。
① 企画・デザインの方向性を決める
まずは、どんなデザイン・素材で、どんなお客様に届けたいのかを明確する必要があります。
ここが決まっていないと、デザインでも判断軸がブレてしまうので、始める前にしっかり決めておく必要があります。素材に関しては、OEM会社がブランドが表現したい世界観をヒアリングし、提案をしながら一緒に決めていくこともできます。
② サンプル製作と修正
サンプルをスタートさせる前に、どれほどイメージが固まっているか、どこまで詳細を詰めているかでその後の進捗が大きく変わります。
1回目のサンプルで完璧なものを作るのは難しいので、2〜3回のブラッシュアップを前提にすすめることが多いのですが、最初にイメージが固まっていないと、その後の修正に時間がかかり、結果、納期に間に合わないことに繋がってしまいます。そのため、スタート時にしっかりイメージを固めておくことが大切です。
③ 生産・納品・品質チェック
量産前には最終サンプルを共有し、製造ミスを防ぎます。
最終検品では、生地の耐久性テストやホルマリンの検査などを実施し、赤ちゃんが安心して着られる品質の確認を行います。
工場選びのポイント
OEMの品質を左右する大きなの要素の1つが「パートナー工場選び」です。
素材・安全基準への対応力
ベビー服に使われる素材は、有害物質を含まない染料・柔らかい綿糸・オーガニック生地など、安全性が最優先されます。GOTS(Global Organic Textile Standard)などの認証素材を扱える工場かどうかも、一つの判断基準になると思います。
【参考】オーガニックコットンOEMの基礎知識|GOTS認証と素材選びのポイントについて
コミュニケーションと柔軟性
OEMは「作るだけ」の関係ではなく、ブランドのパートナーとして並走できるかどうかがとても大切です。実際にサンプルを作り始めていくと、着脱のしやすさや、サイズ感などの問題から、当初のデザインを変更しなくてはならないことも発生します。そのような局面では、どうしたら解決できるかを一緒に考え、試行錯誤をともに行うパートナーがとても重要です。
成功事例と失敗しないコツ
ポイントは「小さくスタートして改善を重ねる」こと。どんなに事前に企画を練っても、最後は販売を開始してみないと結果は分かりません。そのため、少量生産で、どんどん改善を重ねることが成功への一番の近道だと思います。
一方で失敗例としては、一度に大量の生産をしてしまったり、スタートする段階で仕様やデザインを曖昧にしたままサンプル制作に入るケースです。
商品の完成まで時間と費用がかかってしまい、結果販売ができなくなってしまうこともあります。
まとめ|信頼できるOEMパートナーと共に成長する
ベビー服OEMは、ただ商品を作る仕組みではなく、ブランドを共に育てていくことが大切です。
Sunday Morning Factory 株式会社では、素材提案から、品質管理、納品後のフォローまで、ワンストップでOEMサポートしています。
OEMをご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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